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「在日一世」

友人の写真家、李朋彦さんが去年の暮れ、写真集「在日一世」(リトルモア刊)を出版した。


 できたてのサイン入りの本を貰った時、私は体が震えた。李さんとは広告誌の仕事で知り合い、もう10年以上の付き合いになる。私にとって李さんが在日であるという事実はあまりにも当たり前のことだったので、そんなこだわりが李さんの内側に、かくも大きく流れていたことに驚き、このような本を出版しなくてはならなかった李さんの在日への思いや使命が、大きく私にのしかかってきたからである。


 この本の原画展が青山ブックセンター本店で開催され(4/18~5月6日)、30日に、李さんと芥川賞作家、玄月さんのトークイベントにお招きいただいた。玄月さんも李さんと同じ在日の作家である。在日3世であるこの二人が、腹蔵なく語る在日の思いはなかなか聞きごたえがあった。かつてたくさんの朝鮮人が関門海峡を渡り、日本の各地に散った。敗戦とともに、故郷に帰る朝鮮人もいたが、海峡を渡ることなく日本に残ったのが在日の始まりであった。


 日本人の私には計り知れない思いが李さんの心の中を流れていたのだろう。在日のルーツともなる日本全国に散らばった約100人近い在日一世を取材し、カメラに収めた。取材中の苦労話は時にはおかしく、時には悲しい。


 歴史を形で残すこと。例えば、それが絵画であったり、写真であったり、もちろん活字であったりだが、写真は生身の等身大の人間がそこに収まるのでぼかしも演出もきかない。日本で生きた在日一世の戦後の生き様が目の中に飛び込んで、見る人に大きな問いかけをしている。こういった仕事こそ、歴史を形で残す仕事と言っても過言ではないだろう。


 「戦争を起こした日本人が死ぬ。戦争を起こしていない朝鮮人や中国人が死ぬ」と広島在住の在日の方の言葉には心が痛む。しかし、李さんはいつも人なつっこい笑顔で言っている。「日本人でも在日でも、ええ人はええ人なんや」と。この言葉は在日を作ってしまった、我々日本人への優しい思いやりに思えてならないのである。

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コメント

ありがとう。強そうで頑丈そうな李朋彦ですが、心はガラス。だからあれだけの文章が書けたのだと思います。それ以上にリトルモアの編集者の浅原さんの力も見事でした。編集段階で、あんな難しいリーさんと闘い、励まし、最高の作品に昇華させていただきました。装丁の谷口さんも写真と文章のコラボをしっかり表現していただきました。そして念願の増刷。写真集では稀なこと。奇跡を起こしています。
増刷が間に合わなくて今月は予約販売になりそうです。
もっともっと奇跡を起こしていこうと思っています。
たくさんの方に応援していただき、感謝あるのみです。次の作品も期待してください。「在日一世」の巡回展も予定しています。8月15日を含むその前後、また写真展を企画したいなと思っています。在日にとって8月15日は意味のある日。がんばります。だから、だから、ようこさんのパワーをすこーしだけ下さいね。感謝。

2006/05/05 (Fri) 23:19 | 在日一世スタッフ #- | URL | 編集
凄い!

在日一世スタッフさま。

ご丁寧に書き込みありがとう。そうですか。早くも増刷になったんですね。凄い!やはり、「在日一世」は敗戦後の日本を語る意味でも、かなり貴重な資料になるのではないかと思いました。日本人と朝鮮人の確執やかかわりをかくもリアルに表現した著書は今まで見たこともありません。

次作はいっそう楽しみです。スタッフの方のご尽力が手にとるように分かりますが、新しき才能発掘と開花のために、どうかがんばっていただきたいと思っています。

「在日一世」写真展の巡回は凄くいい企画です。東京の青山だけで開催だけで終わるのは惜しい。それこそ、李さんが取材で歩いた日本全国で開催できればいいですね。

2006/05/06 (Sat) 06:11 | マリリン #- | URL | 編集
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2006/05/06 (Sat) 14:33 | # | | 編集

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