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虚実皮膜(きょじつひまく)

いきなり、晶文社の中川六平ちゃんと神田の中華料理店でお昼を食べていた。

六平ちゃんは、大のオネーチャン好き。いつも会うたびに、付き合っているオネーチャンの話をしてくれる。自慢話をしてくれる。いっぱいオネーチャンの名前が出てくるので、私は六平ちゃんの付き合っているオネーチャンが何人いるのか、ダレがダレだが見当がつかない。

小雨の降りしきる銀座4丁目の舗道で、目と目を見つめ合い、相合傘で歩いていたオネーチャン。京都に旅立って、一緒にお寺に泊まったオネーチャン。「北京バイオリン」の映画を一緒に見て、六平ちゃんがラストで泣かなかったのに、腹を立てたオネーチャン。みんな登場人物が違うので覚えきれない。でも、オネーチャン系の話をしている時の六平ちゃんが私は大好きなんだ。

どうしてだろう?きっと、こうなんだ。私は六平ちゃんの使う「オネーチャン」っていう言葉が好きなんだ。これが「彼女」だったら、チョーつまんねぇ!面白くもなんともありゃしない。味も素っ気もない。六平ちゃんの口から飛び出す「オネーチャン」のイントネーションが実にいいんだ。ちょっと前にビートたけしもよく使っていたけど、たけしよりも、六平ちゃんの「オネーチャン」の方が爽やかで、明るくて、ちょいHで、ユーモラスで、粋で、ほのぼのとしていて、あっけらかんとしていて…。いいんだよね。だから、一杯オネーチャンがあっちこっちにいても、誰も文句を言わないし、怒らないんだ。

極めつけはこの話。最近出た「ダカーポ」誌の坪内祐三さんの「酒日誌」というエッセイに六平ちゃんのことが出ていた。坪内さんと六平ちゃんは高田馬場界隈の飲み屋で飲んでいた。その晩は早慶戦のあった日で、めでたく早稲田が優勝し、早稲田通りは早大生で溢れていた。六平ちゃんは一目散に飲み屋を出ると、チョー可愛い早大女子大生を物色しては「おめでとう!」のハグを次々繰り返していたそうだ。六平ちゃんは早大OBだなんて、真っ赤なウソ!同志社大学出身だーい!

どさくさにまぎれて、こんなことをする六平ちゃんに、マジで堅物の女の子は顔をしかめるかもしれないが、私はこのエッセーを読んで、にんまりだった。「これこそ六平ちゃんだよね」って思った。


神田の楽しい昼食後、六平ちゃんはナフキンに何かを一生懸命書いていた。帰り際に、そのナフキンを私の手にそっと握らせた。

開いてみると、そこには「文とは虚実皮膜。近松門左衛門のことば」とあった。

そうなんだ!虚と実との微妙な境目にこそ、本当の芸の面白さがあるものなんだ。文の面白さがあるものなんだ!

なんだかとっても得した昼食だった
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