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年金生活夫婦のお買いもの

子供たちが独立してから、旦那と私二人の食費は激減した。

もっとも、還暦を迎えた夫妻なんだから、じじーババーの食う料などたかが知れている。スーーパーに行く回数も減ったので、なんかものすごく楽になった。家事から解放されるから、年を取るのも悪くないかな、なんて思えてきた。

しかし、今日は温度が上がったせいか、無性に豚の生姜焼きが食べたくなり、近所のスーパーに行った。私は必要なものだけ買うと、他の品物に目もくれないので、とにかく肉売り場に直行した。

牛肉、豚肉、鶏肉のブースが三列に配置されているので、牛さん、鳥さんを飛ばして豚さんのコーナーに行った。

「日替わり目玉 生姜焼き用100グラム128円」のポップが立っている所で、私はピタッと止まった。年金生活目前なので、とにかくいい物を安く買うことしか頭になかった。

「日替わり目玉」というキャッチコピーに魅了され、300グラムで384円の生姜焼きパック肉を籠に入れた。生姜は冷蔵庫にたくさんあるので、私の本日のノルマは達成したわけだ。

で、レジに向かおうとした瞬間、マリリンの行くところには必ず何かが起こる。いや、私が人間観察大好きな女だから、それは起こるというよりは、リサーチしてしまうのだろう。

私のすぐそばにいた60代後半の夫婦のことである。旦那はたくさんの食料が入ったカートを押していた。そのそばで奥さんが、私と同じように豚肉を物色していたのだ。妻は探しに探し求めて選んだ肉を手に持つと、カートにいる旦那のところに持って行った。

旦那は西郷隆盛みたいにでっかい男で、やたら威張ったような感じがしたので、私は一瞬にして、こういったじーさんとはウマが合わないと肌で感じた。

奥さんが旦那に肉を見せると、

「お前、ちゃんと選んだか?ちゃんと一番新しい日付のものを持ってきたか?やり直しだ!もう一度行って、一番新しい日付のものを、それも、製造時間が一番新しいものを探してこい!」

眼を据えて、怒鳴っていた。

「あーあ、やっぱり予想通り、この西郷隆盛さんは、私がいっちゃん嫌いなタイプのジーさん」
と、私は声に出して言った。小さな声なので、西郷さんは聞こえなかった。

子育てを終え、夫婦二人だけになり、収入は年金だけになってしまった夫婦の末裔はこんななのか?いや、こんな夫婦は稀有な例なのではないかと友達にそのことを真っ先に話したら、

「うちだって、そんなもんよ。定年退職して年金生活になっても、現役のころとちっとも変らず、旦那は私のこと小間使いみたいだと思っているんだから」

そう愚痴って言った。

その返答を聞いて、私は憂鬱な気分になった。

なぜなら、私の夫婦とまったく違うからである。旦那がもし私の買い物に口出ししようなものなら、我が家では血の雨が降るだろう。そろそろ定年の声が聞こえる旦那ではあるが、退職して家にいるようになっても、私は絶対に旦那となんかスーパーに行かない。

「いや、行かせない!」

私自身が買い物が好きな方じゃないから、なおさらだ。まして、カートのそばで仁王立ちしている旦那に買いたい品物をチェックされるなんて、絶対に許せない!

家庭内ファシズムじゃないか!

年金生活というのは、ある意味で年金額が少なくとも、余生を満喫するためにあるはずである。残された人生を自由にのびのびと生きてこそ年金生活なのである。

こんな旦那と死ぬまで付き合わなければならないなんて、私は信じられない。

その夜の豚肉の生姜焼きを食べながら、ファシズムじーさんの姿が頭から離れなかった。



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