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「KAGEROU 」齋藤 智裕著

「本が売れない」

ここ数年、出版関係の人たちからそんな愚痴ばかり聞いてきたので、今日発売になった齋藤 智裕著「KAGEROU」がどんなに売れているか、近所の書店にリサーチに行ってきた。

先行予約43万部という、出版不況には天文学的数字にも見える快挙に、私はほくそ笑んでいた。活字がいかに駄目になろうが、一般庶民が読みたいと思った本を作ってあげれば、読者は必ずついてくるのだ。

齋藤 智裕なる人物が、ポプラ社小説大賞に応募して、大賞に輝いた。なんとその受賞作者が、水嶋ヒロ君だったというエピソードに、何やら「できレース」っぽさを感じたのは私だけではないだろう。

事務所を辞めたばかりの水嶋ヒロ君がいきなり「小説家になりたい」と、記者会見で宣言した矢先にこの受賞であるから、なお更そこに作為が感じられた。

しかし、思えば、誰もがこんな単純な流れに疑問を抱くのは百も承知であるから、大手のポプラ社も当事者の水嶋ヒロ君もこのレールが引かれた「できレース」に、まんま乗ったとも思えない。

あまりにも「できレース」っぽいからこそ、むしろ裏を返すと、これは真実ではなかったのだろうかと思い始めていた。

ま、これは水嶋ヒロ君ご贔屓の私の見解なのだが…。

「今朝、開店の時には350冊も平積みに置いてあったんですが、今は35冊しか残っていません。なんと、夕方までに約320冊も売れたんですよ!」と、店員さんがうれしさMAXの笑顔で「KAGEROU」を手にとって見ている私に言った。

最近、どの書店に行っても、店員さんが、元気ないつーか、やる気ないつーか、仏頂面つーか。あんまりいい印象を持っていなかったが、このピュアな笑顔を拝み、私までもうれしくなってしまった。

「1Q84、抜いちゃうのかしらね?」と、私。

「いや、どうでしょ?この勢いだと在庫がなくなり、すでに増刷しているんじゃいなですかね?」と、今度は競馬の3連単で高額配当500万円くらいの馬券を手に入れた競馬ニーちゃんみたいな喜び方をした。


「お買い上げにならななくてもいいですから、手にとってご覧になってください」と、まー、なんと気風のいいこと。

 私はお言葉に甘えて、1ページ目を開いた。わかり易い文章であるとは聞いていたが、それは活字組によるものだとわかった。活字がいっぱい詰まった文章というのは、どれだけ素晴らしいものであっても、中々、内部に入っていけないからだ。

 主人公のヤスオは自殺志願。ビルから飛び降りる準備をしている。そのヤスオの目から見た風景が、丁寧に描写されている。

 水嶋ヒロ君はかなりの読書家であったのであろう。形容詞が実に巧みである。レトリックも抜群だと思った。しかし、どうも、その文章の中に真意や躍動感が伝わってこない。が、処女作としては、ここまで頑張って書けている水嶋ヒロ君はあるボーダーはクリアしているのではないかと思った。

ま、触りしか読んでいないので、これじゃなんとも言えないから、1冊購入しようと思って、レジに並んだ。

「ガーン!!」

なんと、お財布の中には千円札一枚しか入ってなかった。「ぞっ」として、レジの列を何もなかったかのように何気に離れた。

うーん。こういったアホな読者がいることも、水嶋ヒロ君は想定していたのかしら…。

いずれにしても、書店の店員さんをこんなにうれしがらせ、こんなにたくさんの人たちを書店に向かわせ、活字の偉大さを再認識させ、出版不況に歯止めをかけた水嶋ヒロ君の力は、「ハンパねぇぜ、アンダーグランド」だと納得した。

完読しないとね。


 


 
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