スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『「飛龍伝 2010ラストプリンセス」』

飛龍伝


2月2日(火)

新橋演舞場でS社の3人の社員の方と、つかこうへいさん演出の「飛龍伝 2010ラストプリンセス」のゲネプロを拝見した。マスコミ関係者を招待するゲネプロは、本番ももちろんだが、一種独特の雰囲気があって面白いという伝説があるので、毎年、つかこうへい事務所のスタッフのUさんからいただくご配慮には深く感謝している。

演劇には蘊蓄のない私だけど、「蒲田行進曲」で、つかこうへいファンになった私には、たまらないゲネプロだ。

ただ、残念なことに、今、つかこうへいさんは肺がんとの闘病中である。ゲネプロだけにでも姿を現してくださるものだと思っていたが、いらっしゃらなかった。早く良くなられることを心の底から願っている。

今回の「飛流伝」では、40万人の全共闘を率いる委員長役が黒木メイサ。メイサちゃんはつかこうへい劇団の出身だ。つかさんが、闘病しているからからこそ、見舞うかのように、元気づけるかのように、実にクリアーで迫力のあるセリフを舞台にばら撒き、強烈なアクションとダンスを披露してくれた。


黒木メイサはまだ21歳。

60年安保闘争、全共闘世代よりも少しだけ新しい世代の私なので、実を言うとこの時代のことはあんまり知らない。それなのに、この時代には生まれていなかったはずの黒木メイサが、安保闘争で亡くなった樺美智子さんというモデルを、彼女なりに一生懸命に理解し勉強し、女委員長役・神林美智子を実に上手く演じていた。

テレビドラマでしか見たことがなかったが、実際のメイサちゃんは透き通るような白い肌と、日本人離れした抜群のプロポーション、そのお顔の美しさに惚れ惚れしていた。演技力も抜群なので、今後の黒木メイサちゃんには大期待だ。


共演した東幹久は劇中、アデランスのCMの苦労話をセリフに挿入、劇場は笑いの渦となった。つかさんは、リアルタイムの役者のアドリブを大事にする方なので、それにも大感激だった。

 つかさんの脚本と演出は、本当にいつも斬新で、本音と気骨と男気と人情味があって、人間の心の深淵にミシミシと迫ってくる。その目の優しさに涙が出てくる。

 ゲネプロを拝見した後、銀座に繰り出し、行きつけの居酒屋の「金陵」で飲み会になった。なんと、ガード下にある「金陵」は新幹線の工事のために、工事中は仮店舗での営業。ママさんや社長さんが、ウロウロしている私たちを発見してくれなければ、「笑笑」に行ってしまうところだった。

いい芝居を観た後のビールは格別。焼き鳥、サラダ、お刺身などのおつまみを取って、4人で「飛龍伝」談義。

「ぼくは東海村のそばに住んでいたから、あの人たちの気持ちがわかる」と、一人の方が言った。「飛龍伝」の中に、東海村で原発事故が起こり、放射能が漏れるというシーンがあった。無論、その方はまだ子供だったから、東海村に原発ができることになんの不安もなかったそうだが、今思うと、複雑な心境だとおっしゃった。

 このシーンの中に、曖昧にしか憶えていないが、こんなセリフがあった。

「原子力発電所はどうして田舎に作るの?国が安全と言うなら、皇居前広場にでも作れ!」と。
 
まさにその通り、さすが、つかこうへいさんの鋭い視点だと思った。

全共闘対機動隊のシーンの中にも強烈なセリフがあった。

「テレビ放映では学生が細粒弾やぼこぼこに殴られるところばかり流れて、機動隊が殴られるシーンは映らない。機動隊は社会の嫌われ者だった」とか、「機動隊の給料は朝から晩まで働いても7万円。なのに、運動やっている学生の親からの仕送りが13万円。タクシーでデモにくる学生がいる。やってられるかよ」

 ここにも、つかこうへいさんの、時代を生きる人々への、バランスのいいリベラルな思想が満ち溢れていて、胸がせつなくなった。

 まさに「右も左もぶっ飛ばせ的」な、つかこうへいワールドが大健在だった。

 S社の方たちも私も、つかこうへい芝居論に熱が入り、時のたつのを忘れてしまった。

 終電に間に合うかどうかの時間になって、「金陵」を後にした。

 まだまだ、お名残惜しかったけど…。


●松竹ホームページ 
飛龍伝公式サイト
スポンサーサイト
亭主元気で留守がいい | Home | 日本の音が消える

コメント

コメントの投稿


 管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。