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関西のヒシミラクルファン

春の天皇賞。最終2番人気にまでになったヒシミラクルは16着に敗れ、結果、4回目の奇跡を起こすことはできなかった。敗因がなんであれ負けてしまった事実は変わらない。とにもかくも、月並みな言い方だが、怪我もなく無事完走してくれただけで、今は良しとしよう。
 
 ミラクルの取材中、今まで私が一度も経験したことのなかった役目が一つあった。それは、競馬場に来ているミラクルファンを見つけ出し、ミラクルの魅力ついて話してもらうインタビューだ。街頭インタビューと同類のようなものである。

 1回目は東京競馬場のジャパンカップの日。この時は苦戦した。ディレクターやカメラマンに協力してもらい、東京競馬場にいる多勢の観客の中から、ヒシミラクルファンを探すのだが、なかなか見つからない。3時間探して話してくれたのは8人ほどだった。

 2回目が昨日の京都競馬場。パドックや検量室前、本馬場も取材しなければならないので、ミラクルファンを探して撮影する時間はわずか1時間。おまけに大粒の雨が降ってきた。スタッフも私も焦っていた。一体ミラクルファンは見つかるのか、いや、見つけても画面に登場してくれるのかと、不安を抱えながらマイクやカメラのセッティングをしていた。

 「何の取材なんや?テレビですか?」

23歳くらいの男の子二人が突然、私の肩を叩いた。

 「えっ?まぁ。ヒシミラクルのドキュメンタリーを撮っているんですけど。ひょっとしてミラクルのファンの方ですか?」

その男の子たちは満面の笑みを浮かべ

 「もちろんや!今日はミラクル応援しにきたんですぅ。ミラクルの復活を見にきたんですぅ。ミラクルが勝てば、世の中が明るくなりますわぁ。」

 幸いかな、獲物は待たずして、向こうから飛び込んで来てくれた。インタビューには快諾もいいところ、むしろ、待ってましたとばかり、堰を切ったように話してくれた。時間オーバーになりそうだったので、キリのいいところで「ありがとうございました」とお礼を言うと

「あ、最後にもう一言だけしゃべらせてくださいなぁ」

「どうぞ、思う存分に」とマイクを向ける。

 突然、彼らはカメラに向かって

「ミラクル、クルクル、ミラックル!ミラクル、クルクル、ミラックル!ミラクル、クルクル、ミラックル!」

と叫びながら、ラップとも阿波踊りとも言い難い奇妙なパフォーマンスを始めた。最後のシメは両手を左右に振る藤井君の「ホッ!ホッ!」の真似だった。

 人生50年生きているが、取材でこんなに笑い転げた日は初めてだった。

 東京には、こんなキャラのファンは皆無だった。東京のファンはどこかに照れやプライドがあるらしく、マイクを向けられると、どうしてもシャイなマジメ君やマジメちゃんになってしまう。さすが、吉本興業発生の地、関西。コメントもサービス精神に満ち溢れ、気取りもなく、すべてお笑いになっていた。
 
 この二人のおかげで、前代未聞、本邦初公開の貴重なインタビューと映像が取れた。惨敗したが、ヒシミラクルにはこんな純粋で楽しいファンがいてくれたのにも心が和む。

 競馬場は「馬が走る」。だが、時として、1頭の馬を慕う競馬ファンの「心の暴走」を見ることができるのも、また競馬場の魅力である。
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